徐波睡眠は脳・身体の疲労回復・機能維持において重要な役割を果たしており、日中の認知機能の維持や、疲労回復度、熟眠感と関連している。近年、徐波睡眠の減少が耐糖能低下を引き起こすことが判明した。 近年発売された睡眠薬、現在開発されている睡眠薬は、徐波睡眠を減少させない、あるいは増加させる物質であり、従来の睡眠薬と比較してより生理的な催眠作用を持つとされているが、エビデンスがない。 睡眠徐波を減少、あるいは増加させる睡眠薬、催眠作用を持つ薬物による生理機能への影響を、翌日の認知機能、耐糖能を測定することにより明らかにすることが、本研究の目的である。 研究計画の細部について検討し、研究予算の制約よりクロスオーバーさせる条件をプラセボ、トリアゾラム、ゾルピデムの3条件と減らすとともに、実施する血液検査、認知機能検査を決定した。この計画につき、北里大学病院・医学部C倫理審査委員会で承認を受けた。本研究補助金に加え、企業からの研究寄付金を使用するため、北里大学利益相反委員会で審査を受け、利益相反防止のための取扱いにつき承認を受けた。厚生労働省の「臨床研究指針」を満たすため、研究に伴う有害事象に対する補償保険の加入、UMIN臨床研究登録などの手続きを進めている。 認知機能検査、睡眠脳波解析のために必要な機器・ソフトウェアを購入した。研究者が被験者となり、薬物を用いずにパイロット実験を行い、実施上の問題点につき検討を行った。
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