研究課題
多様化したうつ病の患者を対象に急性期とその6カ月後にMRI画像が撮像できる人を30名集積させることに本研究の時間とエネルギーを要した。対象患者は産業医科大学病院神経・精神科の外来通院、あるいは入院している20歳から60歳までの患者でDSM-IV-TRの診断基準で大うつ病性障害を満たした患者である。本研究の3年目である平成23年度になって、ようやくうつ病患者(N=30)および正常対照者(N=30)のMRIの撮像を完了した。したがって、今年度中に臨床評価とMRSによるGABA、Glutamate+Glutamine(Glx)、N-acetyl-aspartic acid(NAA、さらにモノアミンの代謝産物である血漿中MHPG(4-methylhydoroxyphenyl glycol、血漿中HVA(homovallinic acid)、血中脳由来栄養因子(BDNF:brain derived-neutrophic acid)などとの関係を明らかにする。MRSのデータから得られたNAA値は、正常対照群に比較して低下していた。これまでの研究からは、うつ病患者では脳由来栄養因子(BDNF)、一酸化窒素(NOx)は低下していることを報告したが、各種抗うつ薬の中でミルタザピンは、他の薬剤と異なり効果を示した群では4週目にBDNFが増加していた。また、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)の一つであるミルナシプランは、パロキセチン、セルトラリンなどのSSRIと異なり、NOxを増加させた。これらBDNFやNOx値動態の違いは抗うつ薬そのものの効果の違いかうつ病の病態そのものに違いがあるのかもしれない。これらのさまざまな生物学的な指標と臨床症状(HAM-D17項目)を細かく分析して、多様うつ病の病態を明らかにしたい。
すべて 2011
すべて 雑誌論文 (23件) (うち査読あり 15件) 学会発表 (19件) 図書 (4件)
J Affect Disord
巻: 135(1-3) ページ: 66-76
巻: 133(1-2) ページ: 150-157
Chronobiology international
巻: 28(9) ページ: 825-833
精神科
巻: 18(5) ページ: 495-498
カレントテラピー
巻: 29(3 ページ: 48-51
精神医学
巻: 53 ページ: 185-190
Bipolar Disord
巻: 13(2) ページ: 198-207
Eur Psychiatry
巻: 26(1) ページ: 57-63
Psychiatry Res
巻: 186(2-3) ページ: 326-332
Journal of Affective Disorders
巻: 133(1-2) ページ: 22-28
Prog Neuropsychopharmacol Biol Psychiatry
巻: 35(4) ページ: 1022-1025
最新精神医学
巻: 16(4) ページ: 459-466
Clinical Neuropsychopharmacology and Therapeutics
巻: 2 ページ: 24-26
Depression Strategyうつ病治療の新たなストラテジー
巻: 1(1) ページ: 4-6
巻: 2 ページ: 30-31
臨床精神薬理
巻: 14(9) ページ: 1471-1477
巻: 2 ページ: 34-42
巻: 14(10) ページ: 1607-1613
Medical Practice
巻: 28(10) ページ: 1720-1729
Human Psychopharmacology
巻: 26(7) ページ: 531-534
International journal of Psychiatry in Clinical Practice
巻: (in press)
Psychiatry and Clinical Neurosciences
巻: 65(7) ページ: 624-629