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2010 年度 実績報告書

新規評価尺度による大うつ病性障害の臨床評価に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21591497
研究機関(財)神経研究所

研究代表者

稲田 俊也  (財)神経研究所, 研究部, 副所長 (00184721)

キーワードうつ病 / 評価尺度 / 評価者間信頼性 / IDS-C
研究概要

大うつ病性障害やうつ病エピソードの重症度を評価する目的で開発されたInventory of Depressive Symptomatology-Clinicians version(IDS-C)は,全30項目で構成され,各項目は0,1,2,3の4段階で評価される精神症状評価尺度である。本研究では,観察者によって評価されるIDS-Cの日本語版を作成し,その評価者間信頼性を検証した。公益財団法人神経研究所附属晴和病院に入院中のうつ状態を呈していた患者14名(男8名,女6名,平均年齢55歳)を対象とし,これらの患者に対して,申請者らのグループにより原著者の承諾のもとで翻訳および逆翻訳して作成したハミルトンうつ病評価尺度併用のIDS-C構造化面接日本語版を用いて,精神科医2名の同席による評価面接を行った。IDS-Cの30項目のうち,全てのアンカーポイントについての重症度評価の検討が行われたのが27項目であり,残りの3項目は最重度を呈する症例の評価が存在しなかった。評価面接の一致率については,各評価項目の分散分析級内相関係数(ANOVA ICC)が0.85-1.0の範囲にあり,概ね良好な結果が得られた。評価が不一致がみられた例としては,1)症状の重症度や持続時間についての被験者の回答がアンカーポイントの重症度分類に当てはまらないケース,2)一つの症状が複数の評価項目の重症度評価で考慮できるケース,3)抗うつ薬によると考えられる症状の評価,等が挙げられた。本研究の結果から,IDS-C日本語版の評価者間信頼性は全体的に高い一致率が認められた。評価のばらつきが想定される症状項目の取り扱いを十分に検討し,十分な評価トレーニングを行うことにより,本尺度はうつ病患者の重症度を測定する有用な尺度であると考えられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] The inter-rater reliability of the Japanese version of the Inventory of Depressive Symptomatology, Clinician version.2011

    • 著者名/発表者名
      Yamamoto N, Kawakami S, Sato K, Takimura T, Inagaki A, Inada T
    • 雑誌名

      Hum Psychopharmacol Clin Exp

      巻: 印刷中

    • 査読あり
  • [図書] 大うつ病性障害の検証型治療継続アルゴリズムSTARD(sequenced treatment altematives to relieve depression):その臨床評価とエビデンス2011

    • 著者名/発表者名
      稲田俊也(編著), ほか
    • 総ページ数
      80
    • 出版者
      星和書店

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公開日: 2012-07-19  

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