研究課題
基盤研究(C)
アルツハイマー病(AD)脳における神経細胞変性機序の解明を目的に以下の幾つかの検討を行った。1.GABA受容体の発現を調節するUbiquilinの変化の検討。軽症のAD患者脳では、神経細胞が抵抗性を示すCA3領域でubiquilinの発現は増強したが、高度ADでは海馬全域で著明に低下した。このことからubiquilinはAD脳の神経細胞に対して抵抗性を与えている可能性が考えられた。2.アミロイドイメージングでみられるアミロイド所見と、剖検脳におけるアミロイド染色との関連の検討。本結果からアミロイドイメージングで検出されないアミロイド沈着があることを報告した。3.PET研究から早期ADで障害が報告されているセロトニン1A(5HT1A)受容体についての組織学的検討。結果として1A受容体は、海馬病変が高度に至るまで比較的保たれた。しかし高度のADでは1A受容体は神経細胞脱落を反映し著明に減少した。今後βアミロイドの沈着と興奮毒性の関連についての検討が重要である。
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Acta Neuropathol
巻: 123(3) ページ: 433-47
Neuropathology
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