広汎性発達障害と定型発達対照者の脳MR画像を得て、これに最適なフラクタル解析を行うための画像前処理法、フラクタル次元算出法を考案し、両者のフラクタル次元を比較して、簡便なスクリーニング方法として利用できるか検討した。全脳にわたる高解像度3次元MR画像と、フラクタル解析専用ソフトウェアBenoit for Matlabを用いて、大脳皮質と小脳皮質を対象として3次元フラクタル次元を求めた。結果、定型発達対照者と比較して、広汎性発達障害の大脳皮質ではフラクタル次元は小さく、小脳皮質では大きかった。広汎性発達障害におけるマクロな非定型的脳形態形成の存在と、その方向性はテント上下の脳領域で異なる方向性が示された。広く自閉脳のスクリーニング法として活用できるかもしれない。
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