研究課題/領域番号 |
21591509
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
棟居 俊夫 金沢大学, 子どものこころの発達研究センター, 特任准教授 (50293353)
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研究分担者 |
菊知 充 金沢大学, 医学系, 特任助教 (00377384)
小坂 浩隆 福井大学, 医学部付属病院, 助教 (70401966)
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キーワード | 自閉症スペクトラム障害 / 双極性障害 / 核磁気共鳴画像 / 拡散テンソル画像 / ロールシャッハ・テスト / 強迫症状 |
研究概要 |
自閉症スペクトラム障害と双極性障害は、一卵性双生児における一致率の高い精神障害の上位2つを占め、遺伝の関与の高いことがうかがえる。臨床的に興味深い印象は自閉症スペクトラム障害が双極性障害を高率に併存すること、自閉症スペクトラム障害の第1度親族に双極性障害の者が多いことである。両者の関連性の有無の検討は遺伝学的および症候学的な観点から意義があるかもしれないと考える。 平成22年度は、第一に、拡散テンソル画像を、自閉症スペクトラム障害20名、双極性障害24名、双極性障害を併存した自閉症スペクトラム障害4名、健常者18名から得た。双極性障害を併存した自閉症スペクトラム障害では、脳梁膝部と膨大部および上縦束の異方性比率が他の3群に比べ有意に低かったが、対象数が少ないので今後、増やしていく。 第二に、人格検査であるロールシャッハ・テストは意味のないインクのしみが何に見えるか尋ねるものだが、何らかの認知テストととらえられる可能性がある。自閉症スペクトラム障害患者16名、双極性障害患者28名、健常者68名に施行した。今後は結果の3群間の比較、および同時に撮像した核磁気共鳴画像による脳体積の解析結果を加えた比較を行う。第三に、強迫症状を評価するために、次元別の評価法を、自閉症スペクトラム障害12名、双極性障害23名、双極性障害を併存した自閉症スペクトラム障害3名、健常者66名に行ったが、今後は対象者数を増やし、4群間の比較を行う。自閉症スペクトラム障害の第1度親族における双極性障害の頻度の算出は、研究計画の準備中である。
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