研究課題
基盤研究(C)
取り巻く環境の変化を速やかに検出することは生存において重要な情報戦略のひとつである。本研究では、聴覚刺激において変化発生から約100ms後に誘発されるN1, N1mを標的とし、変化関連脳活動の解明を進め、この変化関連脳活動の切り口でもって統合失調症における聴覚情報処理異常の解明を試みた。主な結果は以下のとおりである。1)この変化関連脳活動には感覚記憶が関与し、これは主に上側頭回に起因するものである。2)個々の音特性変化(音源、周波数、音圧)に関わらず、聴覚皮質(おそらく上側頭回)にその信号源が推定された。3)個々の音特性変化に関わらず、統合失調症患者では健常者と比較して変化関連脳活動強度が統計学的に有意に低くみられた。上側頭回はsensory gateの役割を担い、統合失調症にはこの高次な階層レベルの情報処理異常が存在すると考えられる。
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Neuropsychobiol
巻: 65 ページ: 103-108
Neurosci Res
巻: (in press)
Psychiatry Clin Neurosci