研究課題/領域番号 |
21591512
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
城山 隆 三重大学, 医学部付属病院, 講師 (00252354)
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研究分担者 |
前田 正幸 三重大学, 医学部付属病院, 講師 (70219278)
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キーワード | 非定型精神病 / 拡散テンソル画像 / 視床下部 / 気分障害 / 統合失調症 / 脳弓 / 海馬 / 脳白質 |
研究概要 |
拡散テンソル画像(以下DTI)は発展途上の研究ツールであり、初年度はDTIの解析方法をひろく検討して、方法論の確立につとめた。 健常群・患者群の線維束FA値を比較するにあたり、ROI法、VBM法のいずれの方法においても必要となるFAmapの作成について、DTI解析ソフトとしてdTV.IIとDTI studioを比較検討した結果、DTI studioを用いてFA mapを作成する方法を選択した。脳弓、分界条、前頭前野から視床下部への入力を解析する予定であったが、分界条を近傍の脳弓と区別してfiber trackingすることは困難であること、前頭前野からの入力は解剖学的に明確に同定されていないことが課題であり、解析対象を脳弓のみとした。FA mapにおいてROI法を用いてfiber trackingにより描出した脳弓のFA値を求め、患者群と健常群で統計学的比較をおこなう方法については今年度で確立された。また、VBM法についても検討し、被験者データの標準化に関して有効とされるTBSS(Tract-Based Spatial Statistics)の導入を検討した。TBSSは元来LinuxベースのソフトであることよりLinux環境の構築・習熟を要し、セキュリティにも課題のあること、WindowsマシンでヴァーチャルにLinux環境を作る方法もあるが画像処理スピードに懸念があることなど、主にデータ解析環境上の課題があり、今後も検討を要する。 非定型精神病再発例での認知機能やQOLを評価する尺度を検討し、Huberの純粋欠陥症候群に関してBSABS(ボン基底症状評価尺度英語版)の使用も検討したが、FA値との相関をみるには目的とする症状以外の項目が多く統計学的解析が複雑になること、評価に要する時間が長く被験者の負担が増えることが課題であった。 初年度に確立した方法に基づき、次年度は被験者数を増やして解析を続ける予定である。
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