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2009 年度 実績報告書

がん化学療法による認知機能障害の分子メカニズムの解明とその予防について

研究課題

研究課題/領域番号 21591515
研究機関大阪大学

研究代表者

谷向 仁  大阪大学, 医学部附属病院, 特任助教(常勤) (60432481)

研究分担者 工藤 喬  大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (10273632)
森原 剛史  大阪大学, 医学系研究科, 助教 (90403196)
岡本 禎晃  大阪大学, 薬学研究科, 講師 (90432442)
津金 麻実子  大阪大学, 薬学研究科, 特任助教(常勤) (00469991)
キーワードケモブレイン / がん化学療法 / 認知機能障害 / 小胞体ストレス / サイトカイン
研究概要

化学療法薬の中枢神経系への影響、特に認知機能障害の分子メカニズムの解明についての研究を行っている。当初まずマウスに化学療法薬を投与し、その行動評価並びに組織化学的検討を行うIn Vivoでの実験を計画していたが、その実験に先行してまずin vitroにおける培養細胞を用いた実験を行うこととした。ストラテジーとしては、(1)化学療法による直接的な神経細胞へのダメージ(2)脳内サイトカインによる神経細胞への影響の検証を行った。具体的には培養神経細胞を化学療法薬(パクリタキセル、5FU,ドキソルビシン、シクロフォスファミド)によって刺激し、培養神経細胞(SH-SY5Y細胞)における小胞体ストレスを小胞体ストレスマーカーであるGRP78とeIF2αのリン酸化状態を指標としてウエスタンブロットにより生化学的に検討した。その結果、薬剤間にて誘導時間的差があるものの小胞体ストレスが誘導される傾向を見出した。またリコンビナントサイトカイン(TNFα、IFNγ)にてSH-SY5Y細胞を刺激し、同様に小胞体ストレスマーカーを生化学的に検討したところ、先の結果と同様に小胞体ストレスが誘導される傾向を見出した。これらの結果は末梢にて投薬された化学療法薬が中枢神経系に移行した場合に少なくとも神経細胞において小胞体ストレスが引き起こされる可能性を示唆するものと思われる。ただし今回小胞体ストレスを誘導した薬物濃度が実際に脳内に移行するかどうかを今後検討する必要がある。来年度以後は脳血液関門移行についてキットを用いた検討を計画する。また化学療法刺激がミクログリアを介したサイトカイン産生に影響を及ぼしている可能性についても検証する。マウスを用いた認知機能評価の行動学的、組織化学的、生化学的検討の一部を行うことも計画する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Novel therapeutic strategies for neurodegenerative disease2009

    • 著者名/発表者名
      Tanimukai H, Kudo T, Tanaka T, et al
    • 雑誌名

      Psychogeriatrics 9(2)

      ページ: 103-109

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Reduced O-GlcNAcylation links lower brain glucose metabolism and tau pathology in Alzheimer's disease2009

    • 著者名/発表者名
      Liu F, Shi J, Tanimukai H, et al
    • 雑誌名

      Brain 132

      ページ: 1820-1832

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Can "steroid switching" improve steroid-induced psychosis in a patient with advanced cancer?2009

    • 著者名/発表者名
      Okishiro N, Tanimukai H, Tsuneto S, et al
    • 雑誌名

      J Palliat Med 12(5)

      ページ: 487-490

    • 査読あり
  • [学会発表] がん患者にみられる心理反応と精神症状2009

    • 著者名/発表者名
      谷向仁
    • 学会等名
      第7回大阪緩和医療フォーラム
    • 発表場所
      千里ライフサイエンスホール
    • 年月日
      2009-07-04

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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