研究課題/領域番号 |
21591515
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
谷向 仁 大阪大学, 医学部附属病院, 特任助教(常勤) (60432481)
|
研究分担者 |
工藤 喬 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (10273632)
森原 剛史 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (90403196)
岡本 禎晃 大阪大学, 薬学研究科, 講師 (90432442)
津金 麻実子 大阪大学, 薬学研究科, 特任助教(常勤) (00469991)
|
キーワード | ケモブレイン / 抗がん剤 / 小胞体ストレス / Caspase4 / 認知機能障害 |
研究概要 |
昨年度の抗がん剤(パクリタキセル(Px)、5FU、ドキソルビシン(Dx)、シクロフォスファミド(CPA))を用いた培養神経細胞(SH-SY5Y細胞)刺激による小胞体ストレスマーカー(GRP78、p-eIF2α)の発現検討に続き、同薬剤刺激(最高濃度設定を100μMとした)によるCaspase4(小胞体ストレスで活性化する)の発現について検討した。5FUおよびCPAにおいてFull length Caspase4及び活性型Caspase4の発現誘導が認められた。これらの結果を踏まえ、この2剤刺激による細胞障害性(細胞死)を目視的及びCytotoxicity detectionkit (Roche)を使用し、細胞内LDHのreleaseを測定することにより評価した。その結果、5FUについては濃度依存的に細胞障害性が確認されたが、CPAでは1、10、50、100μMの濃度においてもコントロールに比し著明な細胞障害性は認めず、また各濃度問でも有意な差は認めなかった。この2剤は血液脳関門を比較的通過しやすい薬剤として報告されており、化学療法を受けるがん患者の脳画像研究からは特定部位における脳体積の減少は一時的であったという報告があることから、小胞体ストレスは認められるが神経細胞障害性がよりマイルドであるCPAを用いて、マウスを用いた認知行動学的評価を行った。90日齢ICRマウスをコントロール群、試験群各5匹に分け、試験群ではCPA 40mg/kg(生理食塩水にて溶解。コントロール群では生理食塩水のみ)を腹腔内投与し投与24時間後にYmaze試験を行った。投与後の体重に群間差は認めなかった。またYmaze試験ではCYP投与群で正答率が高い傾向を認めたが両群で有意差は認めなかった。この傾向は先行研究に類似した結果であるが、検定法などの相違を考慮しさらに詳細な検討を行っていく予定である。
|