研究課題/領域番号 |
21591524
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
林 要人 宮崎大学, 医学部, 助教 (20295223)
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研究分担者 |
蛯原 功介 宮崎大学, 医学部, 医員 (20510720)
船橋 英樹 宮崎大学, 医学部, 助教 (10404435)
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キーワード | アルツハイマー型認知症 / βアミロイド / オリゴマー / 神経細胞保護 |
研究概要 |
アルツハイマー病の病因は神経細胞から産生されたβアミロイドによる神経細胞毒性であり、その毒性はβアミロイドの凝集過程で発揮されるものと理解されている。特にペプチドの低重合状態、つまりオリゴマー状態で毒性が最高を迎えるエビデンスが存在する(Tabner et al. 2005)。そしてオリゴマーにおける毒性はダイマー、トリマー、テトラマーになるにつれ高くなる。この事からアルツハイマー病(AD)の脳内、血液内、髄液内でのアミロイドの各状態を把握し、その状態に合わせた有効治療法として各種βアミロイドオリゴマーに対する抗体を用いてアルツハイマー病を治療するという方向性についての可能性を検討するのが目的である。さらには生体内(血液、髄液、大脳)に存在するβアミロイドの状態で現在の病気の進行状況、予後等を予測する事が出来る可能性があるものと考え今回は各種抗オリゴマー抗体を作製し、ADモデルラットを作製し各種抗オリゴマー抗体を用いて認知機能障害レベルに合わせた治療法の確立と抗βアミロイドオリゴマー抗体に於ける神経細胞保護作用について検討するのが今回の目的である。今年度においてはβアミロイドオリゴマーを光反応を利用して作製し、各種オリゴマーを精製、分離した(ダイマー、トリマー、テトラマー)。さらに精製した各種オリゴマーをマウスに免疫し抗体を作製している。血清中の抗体を分離し特異的に反応するものをさらに精製するという過程を繰り返して数種類の抗体を作製している。 低重合βアミロイドオリゴマーはサイズが近すぎるとそれぞれに特異的なものが得られにくいのが現状であり結果からは有る程度分子サイズの異なるオリゴマーについて作製する必要が有るものと考えている。また技術的な問題も有る可能性があり外部の会社に抗体作製を依頼する事も検討している。
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