研究概要 |
神経性過食症8例(BN群)と、対照群11名(C群)に書面で研究の趣旨をよく説明した上、文書にて同意を得た上で、採血を行った。また神経性過食症患者に対しては、治療にて過食が減少した後に再度採血を行った。 その結果、Brain-derived neurotrobhic factor (BDNF)はBN群で1856±970pg/ml、C群が4345±2pg/mlとBN群が有意に低値を示した(Mann Whitney U test, p=.004)。IL (interleukin)-10もBN群がC群に比べ有意に高値を示し(6.12±0.83pg/ml vs. 4.34±0.91pg/ml, p=0.002)、IL-4もBN群がC群に比べ高値の傾向を示した(0.38±0.41pg/ml vs. 0.33±1.11pg/ml, p=.09)。一方、IL-1beta (0.03±0.06pg/ml vs. 0.15±0.24pg/ml)、IL-6 (0.34±0.36pg/ml vs. 0.68±0.86pg/ml)、Tumor Necrosis Factor (TNF) alpha (1.26±1.02pg/ml vs. 0.90±0.46pg/ml)の血中濃度には両群間で有意な差を認めなかった。またBN群の治療前後での比較ではBDNF (1856±970pg/ml vs. 2783±2pg/ml), IL-1 beta (0.03±0.06pg/ml vs. 0.11±0.20pg/ml), IL-4 (0.58±0.41pg/ml vs. 0.38±0.57pg/ml), IL-6 (0.34±0.36pg/ml vs. 0.34±0.31pg/ml), IL-10 (6.13±0.84pg/ml vs. 6.27±2.57pg/ml), TNF alpha (1.25±1.02pg/ml vs. 1.05±0.93pg/ml)とも有意な変動を認めなかったが、TNF alphaは低下の傾向を見せた(p=.09)。
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