研究概要 |
DSM-IVで診断された、女性の神経性食思不振症4例、神経性過食症10例、健常対照者9名を対象に、文書にて研究参加への同意を得た後、anti-Annexin V、TNF(Tumor Necrosis Factor)-alpha、BDNF(Brain-derived neurotrophic factor)、Pro-BDNFの血漿中レベルを測定した。 その結果、神経性食思不振症群、神経性過食症群、対照群の血漿中anti-Annexin Vはそれぞれ12.1(標準偏差9.4)ng/ml,9.2(5.5)ng/ml,7.8(1.0)ng/ml、TNF-alphaは各群それぞれ4.7(2.1)pg/ml,5.6(1.3)pg/ml,6.8(2.0)pg/ml、BDNFは各群でそれぞれ、509(560)pg/ml,659(516)pg/ml,1162(628)pg/ml、Pro-BDNFは各群でそれぞれ29.2(55.2)ng/ml,18.5(49.6)ng/ml,6.5(8.4)ng/mlと、3群間で統計学的に有意な差を認めなかった(一元配置分散分析)。 そこで、摂食障害群(神経性食思不振症と神経性過食症)14例と対照群9名で比較したところ、摂食障害群、対照群のanti-Annexin Vはそれぞれ10.0(6.6)ng/mlと7.8(1.0)ng/ml(t=1.2,p=.24)、TNF-alphaは5.4(1.5)pg/mlと6.8(2.0)pg/ml(t=1.9,p=.07)、BDNFは617(512)pg/mlと1162(629)pg/ml(t=2.3,p=.03)、Pro-BDNFは21.5(49.3)ng/mlと6.5(8.4)ng/ml(t=1.1,p=0.28)と、摂食障害患者の血漿BDNFは低かった。
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