研究課題/領域番号 |
21591544
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
樋口 徹也 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (60323367)
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研究分担者 |
遠藤 啓吾 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (10115800)
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キーワード | アミノ酸輸送担体(LAT1) / 神経内分泌腫瘍 / F-18標識αメチルタイロシン / ポジトロンCT / RI内用療法 |
研究概要 |
現在までに、癌細胞に選択的に過剰発現されているL型の中性アミノ酸の細胞内への輸送に係わる細胞表面の担体であるLATK1(L-type amino acid transporter 1)と、アミノ酸代謝の評価を行うPET検査に使われるL-3-[fluorine-18]fluoro-alpha-methyl tyrosin(以下18F-AMTと略)の集積との相関が肺癌や頭頚部腫瘍で確認されており、18F-FAMTの癌への集積性の違いによりLAT1をターゲットにした癌治療の有効な症例を選択可能と考え研究が進められてきた。今年度は、頭頚部腫瘍を対象に、LAT1の発現、増殖能の指標であるKi-67標識指数(Ki-67 LI)と18F-AMTの腫瘍組織への集積性との関係を詳細に調べ、18F-FDG集積との比較で検討を行い、18F-AMTのKi-67LIによる腫瘍細胞増殖能との有意な相関を明らかにすることがでた。今後は、さらに、増殖能と予後との関連を解析し、増殖能の高い症例に対して、治療法変更などを行うことができるかどうかなど検討を予定している。これらの成果は2009年度の米国核医学会議にて発表している。一方、ラジオアイソトープ病棟にて行っている131I-MIBG治療に関しては、本治療に対する治療効果の早期判定が可能かに関して本年度は予備的な解析を行った。結果として、本治療一週間後に血中腫瘍マーカーであるカテコールアミンンの値を測定し、これらの値の低下が十分な症例ほど、その後の数年で行われる131I-MIBG治療の治療効果が良好であり、低下しないかむしろ上昇した症例では、治療効果がその後不十分であることが確認され、治療後1週間という早期に治療効果予測が可能であり、これにより、治療抵抗性である症例は、LAT1ターゲット治療や化学療法などとRI治療の併用による治療効果増強を試みる必要もあるものと考えられた。この結果は、2009年度、欧州核医学会議に発表している。
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