研究概要 |
本研究は、脳腫瘍(神経膠腫)について、極小超常磁性体酸化鉄(ultrasmall superparamagnetic iron oxide, USPIO)造影MR画像が腫瘍部分及びその周囲の免疫環境を反映する新しいコントラストを提供可能であるかどうかを明らかにするために、神経膠腫モデルラットを用いてGd及びUSPIO製剤による造影MR画像を撮像すると同時に免疫系の関与、特に樹状細胞の関与についての組織標本を得、a)USPIOによる造影効果と造影剤投与後撮像までの時間との関係、b)造影効果とBBB破綻の有無との関係、c)MR信号変化をもたらすUSPIO造影剤由来の鉄の腫瘍及び腫瘍周囲の局在の決定、d)造影効果への樹状細胞の関与について評価する。 平成21年度では、ラット頭部Gd及びUSPIO造影MR画像撮像法の最適化の作業として、ラット固定具、撮像中の麻酔及び保温用システムを作成し、特に3D系の撮像法で空間分解能0.4x0.4x0.75mmでのMR画像撮像の最適化を行った。撮像法が決定した後、妊娠15,16,17日目のFischer344ラット計3胎にpH6に調製した0.2M Na2HPO4-0.1Mクエン酸緩衝液に溶解したENU(N-ethyl-N-nitrosourea)50mg/kgを腹腔内投与し神経膠腫モデルラットを作成中である(5-6カ月必要)。
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