研究課題/領域番号 |
21591557
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
井藤 隆太 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (80263052)
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研究分担者 |
北原 均 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (40402721)
地藤 純哉 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (50534161)
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キーワード | 脳神経疾患 / 磁気共鳴画像法 / USPIO造影剤 / 脳腫瘍モデル動物 |
研究概要 |
本研究は、脳腫瘍について、極小超常磁性体酸化鉄(ultrasmall superparamagnetic iron oxide, USPIO)造影MR画像が腫瘍部分及びその周囲の免疫環境を反映する新しいコントラストを提供可能であるかどうかを明らかにするために、神経膠腫モデルラットを用いてGd及びUSPIO製剤による造MR画像を撮像すると同時に免疫系の関与、特に樹状細胞の関与についての組織標本を得、a)USPIOによる造影効果と造影剤投与後撮像までの時間との関係、b)造影効果とBlood Brain Barrier (BBB)破綻の有無との関係、c)MR信号変化をもたらすUSPIO造影剤由来の鉄の腫瘍及び腫瘍周囲の局在の決定、d)造影効果への樹状細胞の関与について評価することを目的としている。 平成23年度は、鉄染色及びIba1 (anti-ionized calcium binding adaptor molecule 1)、CD68、CD31、Ki-67の免疫組織化学的標本を作成した。その結果、正常部分と比較して腫瘍部分にIba1陽性のmicrogliaと考えられる細胞がより多く認められ、それらの一部の細胞内にUSPIO造影剤由来と考える鉄の集積を認めた。しかし、これらの取り込みはFeの局在による信号低下にもっとも鋭敏であると考えられるT2*強調gradient echoシークエンスでも確認困難であった。また、腫瘍周囲を含め脳実質内にmacrophageやmonocyteなど中枢神経外由来樹状細胞と考えられるCD68陽性細胞はほぼ認められず、計画していた鉄標識splenocyteはそのままでは脳実質内に取り込まれる可能性は低いと考えられた。
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