研究概要 |
平成23年度は、前年度に引き続き、血管付き腹部ファントムを用いてファントム実験を行った。 まず血管内に0,2,4,6,8,12mg/mLのヨード濃度に調整したヨード水溶液を封入した後に、周囲を生理食塩水で満たした腹部ファントムを、電圧を80kVp,100kVp,120kVp,140kVpを変化させて撮影した。撮影したデータに対して、コントラストノイズ比(CNR)、Figure of Merit(FOM)を計測して、各電圧におけるCNRおよびFOMの変化を求め、最も病変検出に役立つと思われる管電圧を検討した。また、電圧を変化されることにより得られた画像では、読影に適した画像表示条件も変化することが予測されるので、各電圧において最も適切とおもわれる画像表示条件の視覚的検討も行った。また、一般的に、管電圧を低下させると画像ノイズが増加するが、新しい画像再構成法である逐次画像再構成法を適応し画像ノイズの低減率について検討した。さらに、逐次画像再構成法では、適応する強度によりノイズパワースペクトラム(NPS)が変化し画質が変化する可能性があるので、最適強度はどの程度かについて検討を行った。さらに、逐次画像再構成法を用いたCT画像から、血管あるいは尿管を想定した仮想内視鏡像を作成し、仮想内視鏡作成のために最適な管電圧、管電流、逐次画像再構成法の強度について検討を行った。
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