201T1負荷心筋SPECTにおいて、負荷時の心筋摂取率の虚血性心疾患診断における有用性を検討した。心筋摂取率は、円柱ファントムによりクロスキャリブレーションファクター(CCF)を算出し、短軸像より左室心筋を自動的に抽出し、すべてを加算した左室総カウントの投与量に対する割合(%)で算出した。正常例においては、負荷法で異なる結果で、運動負荷では平均9.1%に対し、アデノシン負荷12-3%で、アデノシン負荷で有意に高い値であった。運動負荷例、正常2例、明らかな虚血所見を認めず、冠動脈に75%以下の狭窄性病変を認める異常群(軽度冠動脈疾患群)4例で心筋摂取率を比較したが、正常群9.1%に対し軽度冠動脈疾患群8.8%と有意な差は認めなかった。運動負荷法では、正常群と軽度冠動脈疾患群の鑑別は難しい結果であった。また、心筋摂取率は減弱・散乱線・空間分解能補正を加えた値が最も低値であったが各種補正(減弱、散乱線、空間分解能)後でも同様の結果であった。99mTc製剤より初回循環心筋摂取率の大きい^<201>Tlで検討したが、軽度冠動脈疾患の鑑別には、^<201>Tlよりも高血流領域まで血流と心筋カウントの直線性が良好な薬剤が必要と思われた。なお、アデノシン負荷による検討や、^<99m>Tc製剤による検討は今回の結果を基にして今後検討する。 拡張期変換画像と冠動脈CT血管造影像との融合画像の有用性について、従来の加算画像との融合画像と比較し検討した。融合画像の作成にはCardioIQ(GE社製)を使用した。融合画像に拡張期変換画像を用いることで、従来認められた心基部領域でのミスレジストレーションアーチファクトが改善した。
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