研究概要 |
研究の目的被験者の動きを高精度に補正する3次元MRI計測法とその画像再構成法(首都大学東京,科学技術振興機構 共催 研究シーズ発表会2007で口頭発表)を開発することである.そして本研究と研究代表者が現在進めている動物実験及びヒトの拡散MRIから細胞膜機能情報を得る研究とを統合化し,新たなMRI診断技術の開発につなげることである 研究成果提案する3次元MRI計測法は,ラジアルスキャン法を基本とし,計測データを直方体状に収集する.直方体状に収集することでk空間(周波数空間)の原点付近のデータが必ず存在することになり,直方体状データのフーリエ逆変換によっておおまかな3次元再構成画像が得られる.これら再構成画像を用い,相互相関,フーリエ位相相関,相互情報量などを利用し基準画像(動きのない直方体状データからの再構成画像)との位置合わせを行うことで動き補正を行う.これまで相互相関法による画像位置合わせは画素単位の整数演算を行っていたが,平成22年度は位置合わせの正確さと演算スピードの向上を図るため相互相関法の最適化にSimplex法を採用し動き補正アルゴリズムに実装するためのプログラム開発を行った.その結果,3次元Shepp頭部数値ファントムを実験画像として直方体状データ数87で3次元収集した場合,動き補正をしないときの相対誤差87,76%に対し動き補正したときの誤差は13.89%(計算時間3時間),直方体状データ数49の場合,それぞれの誤差は73.07%,15.81%(計算時間1.5時間)であり,提案手法の有効性が確かめられた
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