研究課題
本研究の目的は超高磁場MRI装置による位相画像を用いて、非侵襲的で定量的な脳脊髄血流解析法を開発・臨床応用することである。既存の複数の3T-MRI装置(GE社、Philips社)を用いた磁化率強調画像の位相画像から酸素飽和度を算出するプログラムを作成し、酸素飽和度の定量値算出及び脳血流変化のマップ化を行った。さらに、酸素飽和度から酸素摂取率(OEF)を算出するプログラムを作成し、呼吸負荷や薬物負荷によりOEFが有意に変化することが確認された。これらの研究成果は国際学会での発表を行い、論文投稿中である。また、内頚動脈狭窄患者でも脳の位相画像を撮像し、安静時でもOEFの上昇が観察されたが、さらにOEFマップ作成のアルゴリズム改良を行っている。今までは2回のMRI撮像を行って位相変化から酸素飽和度やOEFの変化率を算出できていたが、それを1回のMRI撮像で絶対値として値を算出できるようにプログラム・アルゴリズムを改変中である。患者群ではDiamox負荷での経時的変化の撮像も行っており、PETでのOEFマップとの比較や、MRIのASL法による脳血流マップとの比較を行っている。また、同時に脳血流解析の基礎的検討として数値ファントムを開発し、解析プログラムの精度検証を行っているが、市販ソフトウェアでの解析結果がまとまったので論文作成中である。さらに、各市販ソフトウェアメーカへの結果のフィードバックも行っている。
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