研究課題/領域番号 |
21591578
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
松田 博史 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (90173848)
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研究分担者 |
久慈 一英 埼玉医科大学, 医学部, 准教授 (90283142)
今林 悦子 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (30406491)
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キーワード | 神経科学 / 認知症 / 脳神経疾患 / 放射線 / 解剖学 |
研究概要 |
認知症におけるMRIを用いた新しい機能的画像診断法としてSiemens社製3T MRI trioを用いて、pulsed arterial spin labeling (pASL)法による全脳の血流測定を検討した。脳血流測定にはコントロール像とラベル像の減算の結果得られる信号強度差を用いるquantitative imaging of perfusion using a single subtraction, second version (QUIPPS II) with thin slice TI1 periodic saturation (Q2TIPS)を使用した。pASL画像の統計解析手法の開発のための正常データベースを作製するために、高齢健常者40人において、OMラインにほぼ平行な8mm厚11スライス(35% gap)、64×64マトリクスにて1測定4分の脳血流測定を頭頂部から小脳までの全脳領域に対して行った。この画像に対して、スライス補間、脳実質以外の信号の除去、数値演算などの処理を行った後に、MRIのvoxel-based morphometry用に開発されたVSRADを用いてTalairachの標準脳へと解剖学的標準化を行い、pASL画像の正常データベースとしての平均画像と標準偏差画像を作製した。アルツハイマー型認知症で得られたpASL画像を同様に処理し、作製した正常データベースと統計学的に比較し、脳血流低下のZスコアマップをVSRADを用いて標準脳MRI上に重畳した。アルツハイマー型認知症では、帯状回後部や楔前部、および頭頂葉に血流低下がみられ、従来、PETやSPECTで観察されている結果と類似した。高磁場MRIでのpASL画像は認知症診断に役立つ可能性が示唆された。
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