研究課題/領域番号 |
21591581
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
石蔵 礼一 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (00176174)
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研究分担者 |
小橋 昌司 兵庫県立大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (00332966)
安藤 久美子 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (60289064)
若田 ゆき 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (70412038)
山本 聡 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (50411989)
五十嵐 陽子 兵庫医科大学, 医学部, 病院助手 (90592650)
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キーワード | 新生児 / 脳 / MRI / 脳表検出法 / 脳回領域認識 |
研究概要 |
23年度は、新生児脳の3D MRIデータをさらに蓄積した。 3D MRIを用いた、新生児脳の脳回自動抽出法については、23年度は前年度までの検討で我々が提案した方法を、取得した対象新生児の代表データに応用したが、研究者が作成した真値と比較して、十分な感度、特異度を得られなかった。そこで、23年度は、新しく、node(小さいparticle)を用いて脳回を検出する方法を提案した。対象新生児脳に応用したところ、当初は真値との開きが大きかったが、我々が用いているfuzzy modelのparameterを様々に変化させることで、脳回の抽出が改善することがわかった。脳回抽出に最適なパラメーターの検討をすすめることで、新生児脳の脳回自動抽出が可能となると考える。また、1つのスライスの脳回抽出(全体としては180スライスの計算が必要)に24時間以上を要しており、実用的でなかったことから、23年度は計算項目を見直す事で現在1スライス6時間程度までに改善している。全スライスを6時間程度で計算出来る様改善をすすめる事は臨床応用に重要である。 脳表検出法については、本年度は新しい抽出法を提案した。本法を代表的な症例に適応したところ、真値に比べ本法は感度、特異度ともに高く満足のいくものであった。臨床応用にむけて重要な進歩と考える。 さらに本法を取得したデータに適応し、新生児脳の標準化法を試み、3例以上で標準化脳の作成が可能であることを明らかにした。さらに、本法で抽出した脳表から、脳の表面積と、体積を計算し、真値とくらべ良好な相関を得た。このことは、正常発達児と発達遅延児の違いを標準脳からの違いで客観的にあきらかにすることを可能とすることにつながり、重要と考える。 また、脳表抽出において、今まで手動で行っていた頭表の脂肪と頭蓋骨の抽出を自動化する方法についても検討した。結果頭表の脂肪と頭蓋骨の厚さは年齢、体重、頭蓋の大きさなど様々な要素により変化することがわかり、それぞれのパラメーターについて検討を行った。頭表の脂肪と頭蓋骨の自動抽出は、脳回自動抽出、脳表自動抽出どちらを客観的に行うにも必要な方法であり、重要である。
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