研究概要 |
【目的】ラット膵島移植早期の肝臓内における生着率の画像化および定量評価するために、18FDGを用いてラット膵島を標識し移植後の動態をPET-CTおよびAutoradiographyにて評価。1.ラット膵島の18FDG標識に必要な至適投与量を検討。2.18FDG膵島を移植後90分までPET-CTを撮影し生着の画像定量評価をした。 【方法】1.Tosoらの方法によりDonorラット膵島300個に18FDGを0.5、1.5、3、4.5MBq(各群n=3)を投与し60分後の集積度(kBq)および取込率(%)を比較検討した。2.Recipient糖尿病ラットは移植7日前にSTZ70mg/kgを雄性Lewisラットに静脈注射して作成した。経門脈的に新鮮膵島群(n=4)およびWIT30分障害膵島群(n=4)において18FDG9MBq60分にて標識した膵島900個を各々同系移植し、0-90分後まで10分間隔のdynamicPET-CTを撮像した。画像よりFDGuptakeの減衰を表すTime Activity Curve(TAC)により定量評価を行った。なお、定要量評価はROIを肝全体とし投与量あたりの肝臓の取り込みを示すliver%ID(injection dose)を用いた。さらに、肝同一スライスによる90分間のcirculation studyも行い移植後90分間の肝内動態も撮像した。【結果】1.集積度および取込率は、0.5MBq群8.8kBqおよび1.75%、1.5MBq群21.1kBqおよび1.4%、3MBq群29.0kBqおよび0.97%、4.5MBq群32.3kBqおよび0.72%であった。2.PET-CTで18FDG膵島は多数の肝内hot spotとして明瞭に画像化可能であった。liver%IDの0-10分、40-50分、80-90分値は、正常膵島群は平均27.8,19.8、14.7、障害膵島群は、平均20.1、14.1.10.1であった。正常膵島群と比較し障害膵島群は移植直後に約30%のcell lossがみられた。両群とも90分後までの減衰曲線は同様で、90分後に約50%膵島が生着することが判明した。さらに肝同一スライスにおけるPET-CT circulation studyの動画撮影にて、移植された膵島は肝内にて異動しながら生着していることが判明した。 【考察】18FDGラット膵島イメージング法により膵島移植のイメージングは良好で、正常膵島と比較し障害膵島は初期段階に約30%のcell lossがみられ、その後は同様の減衰を示し両群ともに移植膵島の約50%が生着することが判明した。
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