研究概要 |
この研究は様々な変性疾患を対象に、MRI・脳血流SPECTの検査を行い、MR拡散テンソル画像での白質変性、皮質あるいは白質の萎縮、磁化率強調画像、脳血流SPECTを臨床情報と合わせ、一定のプロトコールに従って検査をし、画像解析することで、各モダリティーの結果を比較し、また経時的変化の評価やfollow upの指標も提示することが目的である。MRI検査では軸位断T1,T2強調画像、冠状断FLAIRなどのルーチンのシークエンスに加え、拡散テンソル画像、磁化率強調画像、形態計測のための3DT1のvolume dataを撮像した。また脳血流SPECTではテクネシウム(^<99m>Tc)-L, L-ethyl cysteillate dimmer(ECD)を静注し、SPECTを撮影した。初年度では25例のアルツハイマー病、30例のパーキンソン病、5例の皮質基底核変性症でMRIと脳血流SPECTの検査を行った。また5例の筋萎縮性側索硬化症、4例の筋ジストロフィー病のMRI検査を行った。それぞれの症例のMRI形態計測の下準備として、SPMのソフトにて灰白質、白質、脳脊髄液のsegementationを施行した。MRI拡散テンソルではDTI Studioのソフトにて全脳のFA map,MD mapを作成し、今後normal data baseと有意差を比較検討するための準備を行った。MRI磁化率強調画像の視覚的評価を、各症例の歯状核、赤核、黒質、淡蒼球、被殻、尾状核、運動皮質で行い、スコアーをつけた。脳血流SPECTでは大脳の脳血流量を測定し、定量と定性の画像を作成した。まだ疾患によっては症例数が少ないものもあるが、さらに検査を進め、来年度は症例のみならず経時的な検査数も増加する見込みで、横断的および縦断的評価と解析を進める予定である。
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