研究概要 |
この研究は様々な変性疾患を対象に、MRI・脳血流SPECTの検査を行い、画像解析することで、各モダリティーの結果を比較し、また経時的変化の評価やfollow upの指標も提示することが目的である。MRI検査ではシークエンスに加え、拡散テンソル画像、磁化率強調画像、形態計測のための3DT1のvolume dataを撮像した。また脳血流SPECTではテクネシウム(^<99m>Tc)-L,L-ethylcysteinate dimmer(ECD)を用いた。現在まで30例のアルツハイマー病、30例のパーキンソン病、10例のMSA-P、9例のMSA-C、4例のDLB、7例の皮質基底核変性症でMRIと脳血流SPECTの検査を行った。また7例の筋萎縮性側索硬化症、5例の筋ジストロフィー病のMRI検査を行った。 それぞれの症例のMRIの3DT1WIをSPMのソフトにて灰白質、白質、脳脊髄液のsegementationを施行した。MRI拡散テンソルではDTI Studioのソフトにて全脳のFA map,MD mapを作成した。 MRI磁化率強調画像の視覚的評価を、各症例の歯状核、赤核、黒質、淡蒼球、被殻、尾状核、運動皮質で行い、スコアーをつけた。脳血流SPECTでは大脳の脳血流量を測定し、定量と定性の画像を作成した,また今年度より新しい3TのMRI機種が導入され、従来の1.5Tでは撮影できなかった非侵襲的脳血流測定法ASL(arterial spin labeling)の検査も追加するべく、そのシークエンスの設定を行った。Psudocontinuous方を用い、定量化を試みる。今年度は5人の被検者で撮影する時期や頭部のとパルスをかける角度を変えても再現性があることが確認された。今後同一被検者で脳血流SPECTを行いパトラック法にて血流を測定し、定量化の指標とする。また新しい機種での正常データ蓄積も同時に行う。
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