研究概要 |
脳虚血病態におけるプロテインキナーゼC(PKC)の役割や挙動を明らかにし、臨床応用の可能性を探るため、計画に従ってPETによるPKCイメージングのための標識プローブ:N-[^<11>C]-methyl-bisindolylmaleimide III(化合物1)および類似化物N-[^<11>C]methy-Ro-31-8425(化合物2)の合成を試みた。方法は[^<11>C]methyl iodideおよび[^<11>C]methyl triflateを用いたデスメチル体に対するN-メチル化反応を用いた。この標識反応について種々の条件検討をしたが、目的部位へのメチル化が上手く行かず目的の化合物1および化合物2を得ることができなかった。 そこで、PKCに親和性の高い化合物を再検索した結果タモキシフェンを見出し、フッ素18標識の類似化合物N,N-diethyl-[^<18>F]fluoromethyltamoxifen(化合物3)の標識合成を検討することとした。サイクロトロン用いて^<18>O水をターゲットとして^<18>O(p,n)^<18>F反応で産生する[^<18>F]フッ素アニオン水溶液製造し、クリプトフィックス222および炭酸カリウムを用いて活性化した後、十分水分を除去し、アセトニトリル中95℃で標識前駆化合物N,N-diethyl-O-tosyl-methyltamoxifen(アルキル鎖のO-トシル体)との求核置換反応を行った。10分間反応後、反応液中の目的[^<18>F]化合物3をHPLCを用いて分取精製し、有機溶媒を除去し可溶化のためポリソルベート80を添加した後、滅菌フィルターを通して注射剤として得られた。 今後、小動物における体内動態および脳虚血モデル動物における虚血周辺部での放射能集積をex vivoオートラジオグラフィやマイクロPETを用いて検討する予定である。
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