研究課題
現在までの成果は、放射線直腸障害動物実験モデルの確立と亜鉛製剤の作成・評価がなされた。(1)実験動物よる放射線直腸障害モデルは、麻酔下ラットに陽性造影剤注腸し倒立位にて腸管の下垂と直腸照射範囲の設定を確認でき、開腹などの外科的処置を行うことなく、直腸に選択的に照射可能とした。本動物実験系は実験動物に対し非侵襲的であり、実験動物に対する肉体的ストレスを大きく軽減出来、また外科的操作による炎症・感染のリスクが無いことからより正確な組織評価が可能になった。また照射後変化が照射直後より内視鏡にて経時的に評価可能となった。(2)亜鉛化合物を主薬とした坐剤の設計、製剤化は、亜鉛化合物として亜鉛-Lカルノシン錯化合物を使用、種々の基剤に硫酸バリウムを添加し、透視にて拡散範囲・付着時間の検討を行った。結果、白色ワセリン・ラノリン基剤とした軟膏が実験動物用軟膏として拡散性・付着性ともにすぐれ、注射器にて肛門より無麻酔下にて確実に投与可能となった。(3)亜鉛坐剤投与実験動物おける放射線照射による直腸粘膜の肉眼的・病理組織学的変化の検討では急性期の直腸粘膜上皮の病理組織学的変化において炎症細胞の程度と深度につき亜鉛製剤投与群とコントロール群間に有意差を認めている。また内視鏡所見でも重度障害発生率につき亜鉛製剤投与群とコントロール群間に有意差を認め、亜鉛製剤の放射線直腸障害に対する障害軽減効果ないし障害予防効果が示唆された。
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