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2011 年度 実績報告書

静脈グラフト内膜肥厚発生機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21591625
研究機関旭川医科大学

研究代表者

内田 恒  旭川医科大学, 医学部, 助教 (60301991)

研究分担者 齊藤 幸裕  旭川医科大学, 医学部, 特任助教 (80540583)
キーワードMMP-2 / 内膜肥厚 / 低酸素 / インテグリン
研究概要

本研究で,動静脈吻合作製後早期に発生する内膜肥厚の一因が血管平滑筋細胞の集積にあり,この血管平滑筋細胞の集積がMMP2ノックアウトマウスでは有意に抑制されることから,吻合部組織でのMMP2発現上昇が内膜肥厚形成に関与することを確認した.また,動脈硬化性狭窄病変に対してバルーン血管拡張術やステント治療後の再狭窄では内皮障害を起点とする炎症性変化が生じ,血液中の骨髄由来細胞,特にマクロファージが深く関与することが明らかとなっているが,この内膜肥厚形成過程においてはマクロファージなどの骨髄由来細胞の関与は少ないことが明らかとなった,一般に血管内膜肥厚過程では肥厚内膜局所は低酸素になっていることが知られている.そこでMMP-2発現メカニズムの解明のためにヒト血管平滑筋細胞(SMC)を低酸素培養し免疫染色を施行した.血管内膜で発現するとされるIntegrinαv,β3,およびMMP-2はそれぞれ24時間の低酸素で発現が亢進することがわかった.またタンパクレベルの変化を見るためWestern Blotを施行したがこちらも同様に誘導され,さらに経時的に変化していた.遺伝子レベルでの発現の変化を見るため,SMCを低酸素化で培養し経時的に回収,tRNAを抽出し,real time PCRで評価した.タンパクレベルと同様に低酸素下でIntegrinαv,β3,MMP-2ともに遺伝子発現レベルでも上昇していた.さらにIntegrinではβ3のほうがαvよりも上昇が大きかった.またMMP-2の発現は低酸素で非常に大幅に上昇しており,Integrinβ3にやや遅れて発現していることが明らかとなった.これらの結果からIntegrinの発現とMMP-2の発現は関連性が示唆され,さらにIntegrin,特にβ3がMMP-2の発現を誘導している可能性が示唆された.
今後さらなるMMP2発現の分子メカニズムの解明により,新たな視点に立った内膜肥厚の治療が可能となり,バイパス術の治療成績向上へと結びつくものと考えている.

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (3件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 血管平滑筋細胞を主体とする動静脈シャント吻合部内膜肥厚形成とマトリクスメタロプロテアーゼ2発現の関与2012

    • 著者名/発表者名
      内田恒
    • 雑誌名

      北海道医学雑誌

      巻: vol87 ページ: 115-120

  • [雑誌論文] Overview-わが国における末梢動脈疾患血行再建術2011

    • 著者名/発表者名
      内田恒、笹嶋唯博
    • 雑誌名

      Heart View

      巻: vol.4 ページ: 41-46

  • [雑誌論文] ハイブリッド手術室の有用性を血管外科の視点から検証する2011

    • 著者名/発表者名
      内田恒
    • 雑誌名

      月刊新医療

      巻: vol.442 ページ: 99-101

  • [学会発表] EVAR 93例の初期-中期成績(IFU vs IFU外症例)2011

    • 著者名/発表者名
      内田恒
    • 学会等名
      第51回日本脈管学会総会(ポスター)
    • 発表場所
      岐阜
    • 年月日
      2011-10-20
  • [学会発表] ANASTOMOTIC NEOINTIMAL HYPERPLASIA AS RELATED TO ARTERIOVENOUS ACCESS IS ASSOCIATED WITH MMP-2 DEPENDENT SMOOTH MUSCLE CELL MOTILITY2011

    • 著者名/発表者名
      内田恒
    • 学会等名
      12^<th> ASVS(アジア血管外科学会)oral presentation
    • 発表場所
      台北(台湾)
    • 年月日
      2011-09-30
  • [学会発表] 大腿動脈以下末梢動脈病変に対する治療戦略2011

    • 著者名/発表者名
      内田恒
    • 学会等名
      第38回日本血管外科学会総会(シンポジウム)
    • 発表場所
      沖縄
    • 年月日
      2011-05-21

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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