研究概要 |
【研究1】TLR及びその下流分子の遺伝子多型とBuerger病の関連性を調べた。 A)MyD88rs7744A>G多型:昨年の結果では、コントロールにおいてGG genotypeの頻度は15.9%に対しBuerger病は6.9%と有意に低かった(P=0.011, odds ratio=0.39, 95% confidence interval ; 1.13, 1.79)。したがってGG genotypeはBuerger病の抵抗性を示すことが示唆された。 B)今年、追加解析としてMyD88rs7744A>G多型とTakayasu病の関連も調べた。Takayasu病でもGG genotypeの頻度が低下する傾向を示しているが、有意差がなかった(11.1% vs 15.9%, P>0.05)。この結果がBuerger病とTakayasu病との発症メカニズムの違いを示唆する。 この研究を纏めた論文がJournal of Human Geneticsにアクセプトされた。 【研究2】Formyl peptide receptors (FPRs)の遺伝子多型とBuerger病の関連性を調べた。 A)FPR1-FPR2領域のSNP rs4801893、rs11666254、rs2070745、rs2070746およびrs5030880とBuerger病の関連を調べた。コントロールにおいてrs11666254 CC genotypeの頻度は31.8%に対し、Buerger病は44.8箔と有意に高かった(P=0.016, odds ratio=1.74).,さらに、この五つのSNPが構成するHaplotypeの頻度を解析した。コントロールに比べ、Buerger病FPR1 TCCCT haplotypeの頻度は有意に高かった(P=0.0048, odds ratio=2.77)。したがって、FPR1 TCCCT haplotypeはBuerger病の感受性を示すことが示唆された。 B)FPR1 TCCCT haplotypeが構成されるSNPはFPR1のpromoterとcoding領域に位置している。今、これらのSNPとFPRの発現、あるいは機能の関連を調べている。
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