研究課題/領域番号 |
21591637
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
丸橋 繁 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (20362725)
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研究分担者 |
永野 浩昭 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (10294050)
武田 裕 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (90397696)
小林 省吾 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (30452436)
種村 匡弘 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (30379250)
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キーワード | 肝移植 / 生体材料 / 拒絶反応 / DNAマイクロアレイ / プロテオーム解析 |
研究概要 |
マイアミ大学、当院で施行した肝移植患者、肝部分提供者を対象とし、肝移植患者においては、術前の末梢血、術後の末梢血、胆汁、尿をプロトコールに従い無菌操作で採取し、保存した。肝生検は肝提供者の術中肝生検、および肝移植患者の術後肝生検を対象とした. (1) DNAマイクロアレイ:ヒトの全遺伝子を網羅した44000遺伝子が搭載されたDNAマイクロアレイチップを用いて発現量測定を行った.マイアミ大学で得られたHCV肝炎再発患者13名と拒絶反応陽性患者9名の肝生検サンプルの比較により、拒絶反応の候補遺伝子として、Caspase 8、 Guanylate-binding protein 2(BMP2)を同定した。さらにBMP2に関して、肝移植における末梢血中mRNAの推移を測定し、拒絶反応時に上昇することを示した。実際の臨床応用が可能となり、今後の研究が期待される。 (2) プロテオーム解析:保存胆汁および尿を用いて、胆汁や尿に含まれる様々な共雑物(胆汁酸、脂質、ビリルビン等の分析の妨げになる物質)を効率よく除去する方法を確立する.さらに高効率で消化ペプチドを抽出、回収しナノフロー逆相高速液体クロマトグラフィー(RP-HPLC)にて分離精製する方法を確立した。酸素同位体法を用いた蛋白変動解析の結果から、拒絶反応に関連する候補蛋白としてAlanin amniopeptidase(AAP)を同定した。今後胆汁中のMP量を測定することで、急性拒絶反応の診断を行うことが可能であるかどうかを検討する。AAPは酵素であり、酵素活性を測定するELIZA法で簡便にAAP量を測定できることから、臨床応用の有用性が期待される。
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