研究概要 |
これまでに血液型不適合肝移植におけるドナー特異的血液型B細胞の寛容のメカニズムをhuman-NOG chimeraモデルを用いて検討を行ってきた。本年度はHLAに対してB細胞が寛容を得ているか検証する。 I.実験結果から得られた肝移植における成熟B細胞の無反応誘導に局所に対するプロスタグランジンの果たす役割について検討する。 1.HLAに対するB細胞免疫寛容 1)Rat-Hamster肝移植におけるプロスタグランディン門脈注入療法の効果:RatにHamsterの肝臓を移植移植するモデルにおいて、プロスタグランディン投与、非投与の比較においてCD19, CD5の染色によるB1, B2細胞の%に優位差は認められなかった。ただし肝臓内におけるNK, NKT細胞の%は減少しており、プロスタグランディン門脈注入療法B1細胞からプラズマ細胞への分化が抑性されている可能性が示唆された。 2)B細胞除去後の再構築時にグラフト内でのGal抗原反応性B細胞の消失:Gal-knock outマウス(Gal抗体+)にCD20抗体によるB細胞除去後に同系マウス(Gal抗原+)の心移植を行い,更にFK506(1mg/kg)を使用した群ではB細胞除去にみの治療、ならびにFK506のみを投与して同系マウス(Gal抗原+)の心移植を行った群に比較して生存率がやや伸び、血清中のGal抗体の低下がみられたものの、nがまだ少なく、更に検討が必要である。
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