われわれはこれまでに血液型不適合肝移植のレシピエントにおけるドナー特異的血液型B細胞の寛容のメカニズムをhuman-NOGchimeraモデルを用いて検討を行ってきた。23年度は以下の研究を進めてきた。 B細胞depletion後のB細胞再構築の時にグラフト内でのGal抗原に対してGal反応性B細胞の消失の検討。 5.Gal-knockoutマウス(血清中Gal自然抗体+)にanti-CD20によるdepletionを行い、経時的なGal抗体価Elisaにて測定し、低下してきた時点に再度anti-CD20によるdepletionを行い、同系のマウス(心臓にGal+)の心臓を移植し、その生存率、血清中αGalの測定を以下の群で測定、この際T細胞免疫を抑えるためFK506(1mg/kg)を使用(1)同系マウスの心→Gal-knockoutマウス(コントロール)(2)Gal-knockoutマウスにanti-CD20によるdepletionで抗体低下時に同系マウス心+FK506(1mg/kg)(3)Gal-knockoutマウスにanti-CD20によるdepletionで抗体低下時に同系マウス心+FK506未使用。 (1)ではすべての同系マウス心はGal抗体により液性拒絶により拒絶された。 (2)では抗体低下時に移植すると半分以上は液性拒絶を免れて生着した。 (3)においても(2)と同様の結果が示された。
|