研究概要 |
世界的に見ても欧米人では10%、アジア人では5-20%、黒人では5-10%と低い頻度ながら相当数のがん患者がHLA-A26陽性であり、がんワクチンを待望している。そこで当該研究をもってHLA-A26陽性がん患者用のペプチドワクチン分子を複数同定し(試験管内試験)、かつ臨床試験附随研究にて生体内免疫賦活効果を検証し、臨床的にテーラーメイドペプチドワクチンとして使用可能なペプチド分子群を決定することにした。 本年度は、これまで臨床研究で安全性を確認済みのペプチド(HLA-A24 : PSM-624、MRP-503、Lck-208、EGFR-800、SART2-93、PAP-213、Lck-488、MRP-1293、PAP-213、SART2-161、PSA-248、Lck-486 ; HLA-A2 : HNRPL-501、CypB-129、MAP-432、Lck-246、Lck-422、SART3-302、UBE2V-43、WHSC2-103 ; HLA-A3スーパータイプ:SART3-511、PAP-155、β-tubline-309、IEX-47、SART3-734、Lck-449、Lck-450、PAP-248、CGI-37、Lck-90)の合計30種類について、HLA-A26陽性のがん患者に対して使用可能なペプチドの同定を目的に本研究を行い、3種類のHLA-A2-結合ペプチド(ppMAPkkk 432-440, HNRPL 501-510,およびWHSC2 103-111)と1種類のHLA-A24-結合ペプチド(SART3 109-118)がHLA-A26拘束性に細胞傷害性Tリンパ球を誘導することが分かった。詳細をCancer Sci.に発表した。
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