研究概要 |
23年度も、大動物膵からの膵島分離の効率を向上させるために、まず、膵島分離時の膵管内注入液の検討を行った。膵島分離の際のコラゲナーゼに生体内に存在するビルベルジンを添加すると膵島収量が改善することが確認された。この研究は糖尿病ラットに対する移植モデルで引き続き、移植後の膵島機能の改善効果も認められるかどうかを検討中である。 23年度は犬MSCおよび、犬PBSCsを犬自家膵島移植モデルに移植するために、まずコントロールとする自家膵島移植のマージナル膵島数を決定する実験を行っている。 体重10kg雌犬、から膵臓を摘出、膵島分離行い、52,506IEQ(1693IEQ/g)の膵島収量が得られた。5,000 IEQ/kgを自家膵島移植を行うと、術後血糖は1POD:92mg/dl、3POD:67、5POD:130、7POD:119、14POD:105、21POD:96、28POD:54と良好に推移し、移植後28日目に行ったIVGTTではPre:71mg/dl、2min:156、5min:176、10min:194、20min:171、30min:153、45min:130とやはり良好な耐糖能を示した。 今後、同モデルを用いてさらに膵島移植数を減少させてマージナルな膵島移植数を決定し、コントロールとしていく。 また犬PBSCsおよび犬MSCsはラットMSCs同様に移植膵島周囲の血管新生に寄与するかどうかをマウス腎被膜下移植を行い病理学的に検討中である。
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