研究概要 |
<平成21年度> 1.腫瘍血管内皮細胞T-EC**の肺への集積と前転移ニッシェの形成の評価 1)尾静脈からの静注モデル T-ECにウイルスベクターを用いてGFP遺伝子導入した.GFP遺伝子の発現をFACSで確認し,細胞株を樹立することができた.T-ECのコントロールとしてマウス正常皮膚から樹立した正常皮膚血管内皮細胞N-ECにも同様の方法でGFP遺伝子を導入して細胞株を樹立した.これらの細胞株を用いて蛍光顕徴鏡でライブイメージングが可能となった.これらのECをマウスの尾静脈から静注して蛍光顕微鏡,実体顕微鏡で肺への生着が確認された.前転移ニッシェ形成の形態的評価と定最化のため,肺切片の作成や解析方法の検討を行っている. 2)腫瘍細胞とT-ECの混合腫瘍モデル 腫瘍細胞とGFPラベルしたT-ECを混合してマウス皮下に接種した.コントロール実験として,T-ECの代わりにN-ECを用いた.経時的に,腫瘍のサイズを計測しT-ECの影響を解析した.また,切片のヘマトキシリン・エオジン染色と血管新生を評価するための免疫染色を行って解析中である. 2.腫瘍細胞の前転移ニッシェへの生着の検討 ウイルスベクターを用いて腫瘍細胞にDsRED遺伝子を導入した.FACSで発現を確認し,安定的にDsREDを発現する細胞株を樹立することができた.このDsRED発現腫瘍細胞株とGFPを発現するT-ECあるいはN-ECを用いることで,血管内皮細胞と腫瘍細胞の相互作用を検討することが出来るようになった.マウス尾静脈からいずれかの血管内皮細胞を静注して,腫瘍細胞の生着への影響を検討中である.
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