研究概要 |
1.in vitro transendothelial migration assay ウイルスベクターを用いて腫瘍血管内皮細胞とマウスと正常皮膚から樹立した正常皮膚血管内皮細胞に蛍光タンパク遺伝子導入した細胞株を樹立した.蛍光遺伝子の発現はFACSで確認し,ソーティングして純度を高めた.この腫瘍血管内皮細胞あるいは正常皮満血管内皮細胞を培養皿でコンフルエントになるまで培養して内皮細胞シートを形成し,この上に蛍光標識した腫瘍細胞を播種した.コンフォーカル蛍光顕徴鏡を用いて腫瘍細胞が血管内皮細胞のシートの下に潜り込む様子を評価できた.腫瘍血管内皮細胞シートの方で腫瘍細胞の潜り込み(transendothelial migration)が多く観察された. 2.腫瘍血管内皮細胞の肺への集積と転移形成の評価 1)マウス尾静脈からの腫瘍血管内皮細胞と正常皮層血管内皮細胞の静注モデル 上記の蛍光蛋白質を導入した血管内皮細胞株をマウスの尾静脈から静注して蛍光顕徴鏡,実体顕微鏡で肺への生薪を検討した.腫瘍血管内皮細胞でより多くの生若が認められた. 2)腫瘍細胞と腫瘍血管内皮細胞の混合腫瘍モデル(異種皮下腫膓モデル) 腫瘍細胞とGFPラベルした腫瘍血管内皮細胞を混合してマウス皮下に接種した.コントロール実験として,腫瘍血管内皮細胞の代わりに正常皮膚血管内皮細胞を用いた.経時的に,腫瘍のサイズを計測し腫瘍血管内皮細胞の影響を解析した.腫瘍のサイズは実験条件による差は僅かであった.また,肺への転移を評価した.ある一定の傾向が見られているが,現在,再試験を行って確認中である.
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