研究概要 |
乳癌細胞、および正常乳腺細胞の初代培養実験系を確立する目的で、乳癌手術で切除した標本より、適量の乳癌組織、および正常乳腺組織を採取した。両組織をそれぞれ酵素溶液中でインキュベーションして細胞を分離させた後にそれぞれの細胞を37度の培養器中で培養した。その結果正常乳腺細胞では4種類のcell lineを確立し、実験に備えて5x10^6個以上の細胞を冷凍保存することが出来た。一方、乳癌培養細胞実験系の確立はまだ成功しておらず、現在実験を進めている。 またヒト乳癌培養細胞(MCF7,SKBR3)、および正常乳腺細胞(TNB-Nシリーズ)細胞について、それぞれin vitroで細胞を固定すると共に細胞膜に孔を開け、細胞質中のホルモンレセプター(エストロゲン、プロゲステロンに対する各レセプター)の発現について、フローサイトメーターを用いて検索した。その結果、病理組織学的な免疫染色とフローサイトメトリーを用いたホルモンレセプターの発現解析結果に相関が見られた。 今後はこれらの培養細胞を用いて各種ホルモン剤、および抗癌剤の感受性試験を行うと共に、細胞内増殖因子の動態につき解析を進めていきたいと考えている。
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