研究課題/領域番号 |
21591662
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
粕谷 英樹 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (00402636)
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研究分担者 |
竹田 伸 名古屋大学, 医学系研究科, 講師 (20314015)
野本 周嗣 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院講師 (40300967)
杉本 博行 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (20437007)
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キーワード | 腫瘍溶解性ウイルス / B16ova / 腫瘍免疫 / ヘルペスウイルス / R3616 |
研究概要 |
最終年度であり、学会発表と論文掲載のために今までに得られたデータを再検討した。結果、MC26腫瘍細胞を抗原認識したリンパ球はR3616を吸着したまま変性失活することなくTarget tumorに到達しウイルスを感染させ抗腫瘍効果を示す事が示された。 MC26細胞へのウイルス感染Quantitative-PCR法にて確認された。さらにリンパ球がウイルスの吸着によりさらにグランザイムなどのサイトカインを放出する活性型となり細胞療法による抗腫瘍効果を示す可能性も示唆された。ウイルスのリンパ球への吸着を電子顕微鏡で撮影する事を試みたが十分な解像度のある写真を捉えることが出来ず、今後の必要な課題が理解された。腫瘍特異的なリンパ球と腫瘍溶解性ウイルスの併用による生存率の改善をIn Vivoで検討した。Transgenic mouse (OT-1)のbaseとなったC57BL/6系マウスの腹腔内へB16-Ova腹膜播種モデルを作製して、Transgenic mouse (OT-1)のSIINFEKLペプチド感作リンパ球CD8に腫瘍溶解性ヘルペスウイルスR3616を3時間37度で吸着させwashoutした物を1.V.して担癌マウスの腫瘍の大きさの変化を比べた。対照群として腫瘍抗原認識をしていないリンパ球CD8にウイルスを吸着した群を使用した。この作用は腫瘍細胞を抗原認識していないリンパ球にR3616を吸着させた場合と比べ生存率を改善した。このデータを元にして臨床研究が行われている腫瘍溶解性ウイルスHF10にて同様の結果が得られるかを検討する予定で準備を進めている。
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