研究課題/領域番号 |
21591663
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
菊森 豊根 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (90402635)
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研究分担者 |
林 良敬 名古屋大学, 環境医学研究所, 准教授 (80420363)
小林 猛 中部大学, 生物機能開発研究所, 客員教授 (10043324)
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キーワード | BRAF / 甲状腺癌 / 温熱治療 / ヒートショック蛋白 |
研究概要 |
【培養細胞実験】 DNAマイクロアレイを用いた遺伝子発現の検討 17-AAG(HSP阻害剤)を加えた細胞と加えない細胞において、アポトーシス関連タンパク発現(p21、PARP-1)の比較し、17-AAGの添加により有意にp21の発現が増加し、PARP-1の分解産物の発現も上昇することを確認した。これらは17-AAGの添加により細胞周期の進行が停止し、アポトーシスが誘導されたことを示唆した。DNAマイクロアレイを用いて遺伝子発現プロファイルの比較を行い、17-AAG添加により誘導される遺伝子群、抑制される遺伝子群を抽出し、HSP阻害剤の細胞増殖抑制効果におけるメカニズムの解明を試みようとしたが、十分な試料(RNAなど)が準備できず実施できなかった。 【動物実験】 HSP阻害剤を用いた温熱効果増強作用における免疫系の関与の検討 1.2つ以上の皮下移植腫瘍をもつ担癌動物モデルを作成し、MCLを一部の腫瘍に局所投与し、交番磁場を照射した。実際にMCLが投与された腫瘍において温度上昇を確認した。さらに腫瘍縮小効果も確認した。 2.MCLが投与されず、交番磁場も照射されていない腫瘍も腫瘍免疫の活性化により縮小することが報告されているが、今回の計画に用いた腫瘍細胞ではBRAFの変異の有無を問わず、そのような現象は観察されなかった。腫瘍免疫が活性化されなかったことが示唆された。よって、17-AAGによる温熱効果増強作用を検討することはできなかった。
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