研究課題
GITRL-Fc遺伝子発現腫瘍細胞ワクチン療法あるいはGITRL-Fc遺伝子を組み込んだアデノウイルス用いた遺伝子治療と、腫瘍特異的T細胞輸注療法との複合免疫療法により抗腫瘍免疫を増強することをマウスモデルにより明らかにした。ヒト腫瘍抗原MAGE-A4に特異的なT細胞レセプター遺伝子を、レトロウイルスベクターを用いてがん患者T細胞に体外で導入し増殖させた後に患者に輸注する、進行期食道癌に対する遺伝子改変T細胞輸注療法の臨床試験を三重大学において継続実施した。本治療法を実施した患者において、輸注に起因する有害事象は認められなかった。輸注細胞が長期にわたり患者体内に存在し、機能を維持していることが確認された(Cancer Sci 2012,第70回日本癌学会学術総会他)。CD4陽性ヘルパーT細胞の産生するサイトカインが、腫瘍特異的CD8陽性T細胞のマルチファンクション性を向上させること、マルチファンクション細胞が抗アポトーシス性を示すことを見出した(第70回日本癌学会学術総会他)。インテグリンVLA-4及び-5を介した刺激が腫瘍特異的CD8陽性T細胞の増殖、生存性、マルチファンクション性を向上し、輸注後の抗腫瘍効果を増強することを見出した(第70回日本癌学会学術総会他)。腫瘍特異的CD8陽性T細胞のPD-L1,-L2発現をsiRNAを用いて抑制することにより、T細胞の抗腫瘍効果を増強し得ることを示した(Gene Ther 2011)。腫瘍抗原に対する抗体を投与することにより、体内で抗原抗体複合体を形成し、抗腫瘍免疫応答を増強し得ることを示した(Cancer Res 2012)。
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Cancer Research
巻: (Epub ahead of print)
Cancer Science
巻: 103 ページ: 17-25
10.1111/j.1349-7006.2011.02111.x
Gene Ther
doi:10.1038/gt.2011.185
http://www.shikuken.jp