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2009 年度 実績報告書

VEGF/VEGFR2経路遮断による制御性T細胞誘導抑制と腫瘍内集積制御

研究課題

研究課題/領域番号 21591670
研究機関九州大学

研究代表者

森崎 隆  九州大学, 大学院・医学研究院, 共同研究員 (90291517)

研究分担者 片野 光男  九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (10145203)
久保 真  九州大学, 大学病院, 助教 (60403961)
キーワードTreg細胞 / VEGFR2 / FOXP3 / VEGF / 遊走 / 増殖 / 免疫療法 / 免疫制御
研究概要

本年度の研究計画と成果は次のようである。
1. リンパ球におけるVEGFR2発現プロファイル作成:
末梢リンパ球、癌性胸腹水リンパ球、大腸癌組織浸潤リンパ球において、VEGFR2がCD4+T細胞、特にFOXP3陽性およびCD25高発現CD4+T細胞に選択的に発現していることを明らかにし、新知見として発表した(Suzuki,Morisaki,Katano et al. Eur J Immunol 40:197, 2010)。
2. VEGFによるTreg細胞の誘導:
VEGFR2陽性および陰性CD4+T細胞をセル・ソーターにより分離し、遺伝子組み換えVEGFによるTreg細胞誘導に及ぼす影響を解析した。用いたVEGF濃度(50-200mg/mL)では、VEGFR陰性細胞からのTreg細胞の誘導は確認されなかった。また、VEGFR2陽性細胞数の有意な増加は認められなかった。しかし、VEGF産生肝癌細胞との共培養でVEGFR2陽性T細胞が増加し、抗VEGF抗体であるアバスチンで抑制される症例があることから、現在、内因性VEGFの系を用いて追加実験中である。
3. VEGFによるVEGFR2陽性Treg細胞の遊走試験:
セル・ソーターによる分離したVEGFR2陽性CD4+T細胞および陰性CD4+T細胞を用いて、チャンバー法にて遊走試験を繰り返しているが、遊走亢進の場合と抑制の場合があり、一定の結果が得られていない。したがって、Treg細胞の遊走因子を下室に添加した系で同様の実験を継続中である。
4. 次年度の前倒し:
1) 手術摘出大腸癌組織をFOXP3およびVEGFR2の蛍光二重免疫組織染色し、VEGFR2陽性Treg細胞の浸潤を定量的に解析中である。現時点では、末梢血に比べ組織中ではVEGFR2+FOXP3+リンパ球の比率が高い傾向を示している。
2) VEGFR2陽性Treg細胞の生物学的役割を推測するために、免疫細胞療法施行中の症例における臨床効果との関連解析をスタートした。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Vascular endothelial growth factor receptor 2 (VEGFR2) is selectively expressed by FOXP3hiehCD4+ regulatory T cells.2010

    • 著者名/発表者名
      Suzuki H, Morisaki T, Katano M, et al.
    • 雑誌名

      European Journal of Immunology 40

      ページ: 197-203

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The contribution of vascular endothelial growth factor to the induction of regulatory T cells in malignant effusions2009

    • 著者名/発表者名
      Wada J, Morisaki T, Katano M, et al.
    • 雑誌名

      Anticancer Research 29

      ページ: 881-888

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 制御性T細胞の基礎・臨床2009

    • 著者名/発表者名
      片野光男, 森崎隆, 他
    • 雑誌名

      Biotherapy 22

      ページ: 197-214

  • [備考]

    • URL

      http://www.tumor.med.kyushu-u.ac.jp/

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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