研究概要 |
癌細胞周囲間質においては,ヒアルロナン含有量の高いmatrixが形成されることにより,がん細胞が転移,遊走能を獲得する.ヒトにおいては,血清由来ヒアルロナン関連蛋白(Serum-derived Hyaluronan Associated Proteins, SHAP)がヒアルロナンと共有結合し(SHAP-HA複合体),互いの構造やその維持に重要な役割をはたしている. SHAP-HA複合体の血中濃度は,乳癌の病期の進行に伴い上昇し,かつ,「Stage IVまたは再発」が最も高値であることより,転移にも関与することが示唆された.またSHAP-HA複合体は腫瘍周囲の細胞間質に存在し,悪性腫瘍の微小環境形成に関与する可能性が示唆された.
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