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2011 年度 実績報告書

STAB1・VEGF-CsiRNAとデコイベクターによる乳癌リンパ節転移阻止

研究課題

研究課題/領域番号 21591682
研究機関大阪保健医療大学

研究代表者

柴田 雅朗  大阪保健医療大学, 保健医療学部, 教授 (10319543)

研究分担者 森本 純司  大阪医科大学, 医学部, 講師 (90145889)
キーワードSATB1 / VEGFR3 / デコイベクター / VEGF-C / 乳癌 / リンパ節転移 / siRNA / リンパ管新生
研究概要

目的:SATB1は乳癌転移の新規促進因子として報告された。また、リンパ節転移の促進因子であるVEGF-Cの受容体はVEGF受容体3(VEGFR3)である。可溶性VFGFR3(sVEGFR3)はVEGF-Cと結合し、本来の受容体であるVEGFR3への結合を阻止する。そこでこれらの機能を低下させる治療戦略で乳癌転移の抑制を試みた。方法および結果:BJMC3879Luc2乳癌細胞(ルシフェラーゼ遺伝子を組み込んである)をBALB/cマウス雌に移植し、週1回、腫瘍内にベクター(空ベクター,SATB1siRNA [psiSATB1]およびVEGFR3デコイ[psVEGFR3])を遺伝子導入し、実験終了の6週まで実施した。その結果、経時的な腫瘍体積はpsVEGFR3群で、実験開始の2週後より実験終了まで有意な抑制が観察された。実験終了時の発光によるバイオイメージング解析では、腫瘍の拡がりはこの群で抑制傾向が観察された。病理組織学的解析では、リンパ節転移および直径1mm以上の肺転移巣の個数は、psVEGFR3群で有意な抑制が示された。リンパ管内皮のマーカーであるpodoplaninに対する免疫組織染色を施し、観察すると、腫瘍内リンパ管内に腫瘍細胞が浸潤している像が各群に散見された。これをマウス1匹当たりのリンパ管侵襲の数として解析すると、psVEGFR3群では有意な低下が観察された。新生血管内皮のマーカーであるCD31免疫組織染色を施し、腫瘍内の血管密度を解析した結果、各群間に差異は見られなかった。結論:高転移性マウス乳癌モデルにおいて、VEGF-Cと結合してその機能を喪失させるsVEGFR3デコイは、有意な転移抑制作用をもたらした。一方、乳癌の増殖と転移に関わると報告された新規のSATB1遺伝子に対するsiRNA発現ベクターには抗腫瘍効果は発揮されなかった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011 2010 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 新規の内因性可溶性VEGF受容体2型は高転移性マウス乳癌のリンパ節転移を抑制する2011

    • 著者名/発表者名
      柴田雅朗, 他4名
    • 雑誌名

      乳癌基礎研究

      巻: 20 ページ: 23-30

  • [雑誌論文] The endogenous soluble VEGF receptor-2 isoform suppresses lymph node metastasis in a mouse immunocompetent mammary cancer model2010

    • 著者名/発表者名
      Shibata, MA, et al., 他6名
    • 雑誌名

      BMC Medicine

      巻: 8

    • 査読あり
  • [学会発表] リンパ管新生を標的とした新規内因性可溶性VEGF受容体2型のマウス乳癌リンパ節転移抑制2011

    • 著者名/発表者名
      柴田雅朗
    • 学会等名
      第43回日本臨床分子形態学会総会・シンポジウム
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      2011-09-09
  • [学会発表] 新規内因性リンパ管新生抑制因子である可溶性VEGF受容体2型のマウス乳癌に対するリンパ節転移抑制作用2011

    • 著者名/発表者名
      柴田雅朗
    • 学会等名
      第35回日本リンパ学会総会・シンポジウム
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2011-06-03
  • [備考] 柴田科研費ホームページ

    • URL

      http://lab-anat-histopathol.jp/kakenhi/

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公開日: 2013-06-26  

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