研究概要 |
当科で開発された十二指腸液の食道逆流による食道腺癌発生モテルにおいて、Farnesoid X receptor(FXR)のアンタゴニストであるガグルステロン(GS)による食道発癌への影響を検討するため、まずラットを用いて十二指腸食道逆流モデルを作成した。すなわち、7週齢のWistar雄性ラットを用いて、エーテル麻酔下に胃を全摘後、空腸を起始部から約4cmの部位で食道の断端に端側吻合した。 合計120頭に手術を行い、それらのラットを無作為に以下の2群に分類した。(1)GS投与群60頭(2)コントロール群(非投与群)60頭である。当初手技慣れに時間を要したが、現在ようやく作成は順調に行われるようになり、術後の生存率もあがり、予定目標数に到達している。 GS投与群は1mg/kg/dayを食餌に混じて経口的に投与しており、これらを手術後1週目から40週目まで投与する。その後、来年度に、10,20,30週目に各10頭ずつ屠殺し、最終的に40週目に30頭屠殺する。各群において、食道の炎症の有無を判定し、腫瘍が発生している場合は腫瘍の個数、大きさを測定する予定である。 また病理組織学的に炎症、円柱上皮化生、異形成、腺癌の有無を調べるとともに、FXR, cyclooxygenase-2, PPARαのmRNAならびにタンパクの発現や、prostaglandin E2の産生量を検討する予定である。
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