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2010 年度 実績報告書

食道癌化学療法耐性における骨髄由来細胞の機能解明とそれを標的とした治療開発

研究課題

研究課題/領域番号 21591698
研究機関大阪大学

研究代表者

宮田 博志  大阪大学, 医学系研究科, 助教 (80362713)

研究分担者 土岐 祐一郎  大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20291445)
山崎 誠  大阪大学, 医学系研究科, 助教 (50444518)
藤原 義之  大阪大学, 医学系研究科, 講師 (40314330)
瀧口 修司  大阪大学, 医学系研究科, 助教 (00301268)
キーワード食道癌 / 骨髄由来細胞 / 化学療法 / 腫瘍間質 / 微小環境 / 上皮間葉転換
研究概要

1. 食道癌組織における骨髄由来細胞の解析
当科で外科切除を施行された食道癌切除標本(術前化学療法93例、術前無治療例92例)を用いて、骨髄由来細胞の表面マーカー(CDllb, c-kit, VEGFR1, CD45)の発現を免疫染色にて評価した。術化学療法後遺残する腫瘍では術前無治療例に比べて、腫瘍間質におけるCDllbとc-kitの発現が有意に増加した。また術前化学療法症例ではCDllbとc-kitの発現は、化学療法の臨床効果、組織学的効果と逆相関を示した。VEGFR1とCD45の発現は化学療法の効果と相関しなかった。以上より、ヒト食道癌においてCDllbとc-kitをマーカーとする骨髄由来細胞が化学療法の耐性に関与する可能性が示唆された。
2. 骨髄由来細胞と癌細胞の相互作用の解析
上記1のサンプルを用いてEMT(上皮間葉転換)マーカーであるE-cadherin、Vimentin、snail、β-catenin、ZEB1の発現を免疫組織学的に検討し、EMTマーカー発現と化学療法効果、骨髄由来細胞マーカー発現との関係を調べた。まず化学療法後遺残腫瘍では術前無治療例に比べて、E-cadherinが減弱し、snailとZEB1の発現が増強した。またE-cadherin発現の減弱とsnail発現の増強は化学療法非奏効例に有意に多くみられた。ZEB1と化学療法の効果に相関は見られなかった。さらに腫瘍間質にCDllbとc-kitを強発現する症例では、E-cadherin発現が減弱し、snail発現が増強していた。以上より、CDllbとc-kitをマーカーとする骨髄由来細胞が、化学療法後遺残腫瘍においてEMTを惹起する可能性が示唆された。

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公開日: 2012-07-19  

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