研究課題/領域番号 |
21591704
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
渡邊 雅之 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (80254639)
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研究分担者 |
馬場 秀夫 熊本大学, 生命科学研究部, 教授 (20240905)
蒲原 英伸 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (90398222)
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キーワード | 食道癌 / microRNA / ホルマリン固定標本 / 化学療法感受性 / DNAメチル化異常 / SYBR green法 |
研究概要 |
食道癌におけるmicroRNA(miRNA)発現異常におけるDNAメチル化の関与を明らかにすることを目的として研究を行った。まず初年度は食道癌におけるmiRNA profileの解析を行った。より確実に食道癌切除標本の癌部と非癌部からmiRNAを採取するために、ホルマリン固定パラフィン包埋ブロックよりmiRNAを抽出し、解析する実験系を確立した。食道癌切除標本のホルマリン固定パラフィン包埋ブロックより、HE染色の顕微鏡像を参考に癌部と非癌部粘膜を切り出し、これからtotal RNAを抽出した。過去に報告された食道癌において異常を認めるmiRNAのcDNAに対して特異的primerを用いてSYBR green based real time PCRを行った。同一症例の新鮮凍結標本からも同様にRNAを抽出し、SYBR green法による解析を行った。ホルマリン固定標本におけるmiRNAの解析結果は新鮮凍結標本とほぼ同じ結果を示しており、ホルマリン固定標本からのmiRNA解析が可能であることを確認した。その後、食道癌切除症例100例の癌部と非癌部よりRNAを抽出済みであり、現在miRNA profileの解析を進めている。 一方、術前化学療法を施行した食道癌症例における治療前生検標本から、同様の手法を用いてmiRNA解析を行い、治療感受性予測因子となりうるmiRNAのスクリーニングを行った。この結果miR-21とmiR-26aが術前化学療法の感受性と相関していた。現在、validation studyを進めると同時にin vtroにおける機能解析を進めている。 今後、判明してきたmiRNAの異常に対してその発現調節におけるDNAメチル化の関与について解析を行う予定である。
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