研究課題
食道癌のmicroRNA(miRNA)発現異常におけるDNAメチル化の関与を明らかにすることを目的として研究を行った。平成22年度は食道癌のホルマリン固定パラフィン包埋ブロックよりmiRNAを抽出し解析を継続した。この結果、食道癌において発現異常をみとめる複数のmiRNAを同定した。また、DNAメチル化異常の解析として、グローバルなメチル化異常の指標として知られているlong interspersed nuclear element-1 (LINE-1)のメチル化の解析を開始した。食道癌切除症例のホルマリン固定パラフィン包埋ブロックより癌部・非癌部のDNAを抽出し、パイロシークエンス法を用いてCpGアイランドのメチル化の定量を開始した。今後、両者の結果を比較検討し、メチル化異常とmiRNAの発現異常の関連について明らかにする。またこれらのmiRNAの発現調節におけるDNAメチル化の関与についてin vitroにおける解析を行う予定である。一方、術前化学療法を施行した食道癌症例における治療前生検標本からmiRNA解析を行い、治療感受性予測因子となりうるmiRNAとしてmiR-21とmiR-26aを同定した。現在、in vitroにおける機能解析を進めている。またこれらのmiRNAの発現異常におけるDNAメチル化の関与についても同様の手法を用いて解析する予定である。
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