研究概要 |
(1)食道癌臨床検体における高特異性EMP3抗体による免疫組織化学染色: 既存するEMP3に対する一次抗体に関しては、免疫組織化学染色での十分な情報が得られていない。昨年度に引き続き、臨床検体組織を用いた同抗体の適切な免疫組織化学染色の条件設定を行った。同時に、集積し得た食道癌臨床検体の免疫組織化学染色を行った。 (2)EMP3発現制御機構の解明: EMP3発現制御機構としてプロモーター領域のメチル化が関連しているという報告がある一方で、メチル化が少ないにも関わらずその発現が低下している食道癌細胞株が存在すること、さらにTSA処理した食道癌細胞(HEEC-1)のろならず、食道癌以外の細胞株(SV-11、TF-1)においても処理したTSAの濃度依存的にEMP3の発現が抑制されることを報告した(Shoichi Fumoto, Tsuyoshi Noguchi, et al.Cancer letters,, 274 ; 25-32, 2009)。このことは、プロモーター領域のメチル化以外の発現制御機構の存在を示唆している。そこで、プロモーター領域における発現制御因子の作用部位の塩基配列からそのレプレッサーを策定することを目的にプロモーター領域(転写開始点から約2000塩基上流まで)における複数のDeletion mutantを樹立し得た。
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