研究課題
リンパ節転移の中にも微小な転移が存在し、腫瘍から産生されるケモカインのよりリンパ管内を腫瘍が遊走しやすくなり、易転移の状況が形成されることが知られているが、多数の微小転移の形成が各種分子生物学的手法により同定されているが、その微小転移巣が必ずしも臨床上、顕性化しないことが認められる。我々はリンパ節微小転移モデルを作成し、微小転移の動向を基礎的・臨床的に観察し、抗腫瘍免疫の観点から考察を行う。具体的には以上の3つの大項目で行っている。A.所属リンパ節内微小転移の検出と腫瘍ケモカインの発現腫瘍ケモカインの評価は免疫組織学的に行った。すなわち、当教室で根治切除された消化器癌症例のうち、長期予後が判明している症例を対象とした。腫瘍最大割面のパラフィン切片を脱パラしたのち、CD166,CD168の発現をABC法で可視化した。ケモカインの発現の評価を検討した。CD166,CD168の発現陽性症例のリンパ節転移以外の臨床病理学的因子(壁深達度、脈管侵襲、組織型、腫瘍長径再発)との関連性を統計学的に解析し、陽性症例では有意にリンパ節転移が多く、予後不良であることを論文にて報告した。B.腫瘍HLA抗原の発現消失と宿主抗腫瘍免疫能の回避に関する研究乳癌および胃癌におけるHLAクラス1高原の発現と、間質に浸潤する抑制性T細胞の浸潤の関係を明らかにし腫瘍特異的T細胞による障害性がHLA消失症例では低下していることを明らかにした。Cリンパ節微小転移形成マウスを用いた微小転移の動向に関する検討マウスメラノーマ細胞であるB17F1にリポフェクチン法でGFPを導入した。マウス足底に腫瘍を摂取し膝窩の所属リンパ節にリンパ節転移を形成し、このセルラインはリンパ節転移を形成するが肺や肝臓など遠隔に転移が形成されないことを確認した。
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