研究課題
(1) VEGF cDNAの塩基配列をアミノ酸配列に変換し、MHCPredウェブサイト(http://www.jenner.ac.uk/MHCPred/)を用いてクラスII抗原部位を検索し、その領域を含むペプチドを人工合成する。(2) アミノ末端にビオチンを付加しておき、予めアビジンを固相化したプレートを用いて合成ペプチドを特異的に結合させ、洗浄後に血清抗体と反応させ、ペルオキシダーゼ標識抗ヒトIgG抗体を用いて血清抗体レベルを測定する(ELISA)。健常者血清に比べ患者血清の抗体レベルが有意に高いペプチドを選択した。(3) バキュロウイルスを用いてVEGFペプチドを精製して血清VEGF抗体検索のためのELISAキットを作成する。作成したELISAキットの性能試験を実施し、健常者の基準抗体価を設定する。(4) 健常者血清におけるELISA測定レベルの平均値+3SDをカットオフ値として、陽性と診断された患者血清は、5~10%程度であり、25%を上回ったものは同定できなかった。ただし、p53抗体陽性との重複が少ないことから、陽性率の上乗せ効果は期待できると思われた(5) 東邦大学大森病院で入院・加療した食道癌患者の血清を文書により本人の了解を得てスクリーニングに用いた。解析対象の食道癌症例の血清は、治療前に採取し、血清分離後、マイナス80度にて研究開始まで凍結保存されたものを使用した。
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